記事の概要
「実際のものよりも優良である」の判断基準
1. 一般消費者が優良であると認識するかどうか
一般消費者が優良であると認識するかどうかを基準として判断されます。専門的・科学的見地からの判断を基準とするものではありません。
例えば,還元乳の方が脂肪その他の成分を豊富に含有し,専門家からみれば栄養価が高いとされていたとしても,搾乳したままの新鮮な牛乳を購入したいと思っている一般消費者に,還元乳に「牛乳」と表示して,普通牛乳と誤認される場合には,不当表示になります。
2.表示内容全体から受ける一般消費者の印象・認識
表示された特定の文章,図表,写真などから受ける印象・認識ではなく,表示内容全体から受ける一般消費者の印象・認識が基準となります。 デメリット事項などの重要な事項が表示されていないために,表示全体からみて一般消費者が優良であると誤認すれば,「不表示」も含めて不当表示になります。
3.当時の一般消費者の知識水準や経験
その時の一般消費者の知識水準や経験などにより判断されます。 例えば,「松阪牛」というのは肉質がよく高価なものであるということを消費者が知って認識しているからこそ,普通の牛肉を「松阪牛」と表示することは,不当表示となるわけです。
4.一般消費者にとっての利用価値,市場価格の高低
一般消費者にとっての利用価値,市場価格の高低などを基準として判断されます。
例えば,食品の場合,美味しいか不味いかという主観的なことではなく,その商品が一般消費者に本来もっていると認識されている味を有しているかどうかで判断されます。食品については,一般に,「純粋なもの」,「混ぜものがない」,「自然のままのもの」,「手づくりである」などが優良であると一般消費者に認識されることが多いといえます。