記事の概要
目的
景品表示法は、消費者の自主的かつ合理的な商品及び役務の選択を確保するため、一般消費者に誤認される表示や過大な景品類の提供を制限及び禁止しています。
実際よりも良く見せかける表示が行われると、それらにつられて消費者が実際には質の良くない商品・サービスを買ってしまい不利益を被るおそれがあります。このような不当表示から一般消費者の利益を保護するための法律が「景品表示法(正式名称:不当景品類及び不当表示防止法)」です。
不当な表示の禁止(景品表示法第4条)
景品表示法では、虚偽の表示や大げさな表示など、消費者をだますような表示を禁止しています。
品質や価格などは、消費者が商品・サービスを選ぶ重要な基準になります。そのため、その表示は正しく、分かりやすいことが必要です。ところが、商品・サービスの品質や価格について実際よりも著しく優良又は有利と見せかける表示が行われると、消費者の適切な商品・サービスの選択が妨げられてしまいます。
このため、景品表示法では、一般消費者に商品・サービスの品質や価格について、実際のもの等より著しく優良又は有利であると誤認される表示(不当表示)を禁止しています。景品表示法に違反する不当表示については、事業者側に故意・過失がなかったとしても、景品表示法に基づく措置命令が行われます。
食品偽装問題をうけて、平成26年には2度にわたって景品表示法の改正が行われました。1度目の法改正では、事業者が講ずべき必要な措置が定められたほか、都道府県知事に措置命令権限等が付与され、さらに事業所管大臣等に調査権限を委任することができるようになったことによって行政の監視指導態勢の強化が図られました。また、2度目の法改正を受けて、景品表示法に課徴金制度が導入されました。
景品表示法で規定する不当表示には、大きく分けて次の3つがあります。
・有利誤認表示
・その他 誤認されるおそれのある表示
各々の内容は以下のとおりです。
優良誤認(4条1項1号)
商品又は役務の品質、規格その他の内容についての不当表示をいいます。
優良誤認に該当する表示か否かを判断するため必要があると認めるときは、事業者に対し、期間を定めて、当該表示の裏付けとなる合理的な根拠を示す資料の提出を求めることができる。
⇒ 事業者が合理的な根拠を示す資料を提出しない場合には、当該表示は優良誤認表示とみなされます。
有利誤認(4条1項2号)
商品又は役務の価格その他の取引条件についての不当表示をいいます。
誤認される恐れのある表示(4条1項3号)
商品又は役務の取引に関する事項について一般消費者に誤認されるおそれがあると認められ内閣総理大臣が指定する表示をいいます。
2 商品の原産国に関する不当な表示
3 消費者信用の融資費用に関する不当な表示
4 不動産のおとり広告に関する表示
5 おとり広告に関する表示
6 有料老人ホームに関する不当な表示
表示とは?
顧客を誘引するための手段として、事業者が自己の供給する商品・サービスの品質、規格、その他の内容や価格等の取引条件について、消費者に知らせる広告や表示全般を指します。
表示の要件を整理すると以下のようになります。
- 顧客を誘引するための手段
- 事業者が自己の供給する商品又は役務の内容又は取引条件その他これらの取引に関する事項について行う広告その他表示
- 内閣総理大臣が指定するもの