不動産の公正競争規約

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1.法律による規制

不動産広告は「宅地建物取引業法」や「不当景品類及び不当表示防止法」によって、不当表示が禁止されています。 このほかにも、宅地建物取引業法では「青田売り(未完成)物件」の広告開始時期を制限したり、取引態様の明示義務を課しています。

2.公正競争規約による規制

法律による規制は一般的・抽象的なものに留まるため、不動産業界が自ら制定した「不動産の表示に関する公正競争規約(表示規約)」によって、一般消費者の自主的かつ合理的な選択及び事業者間の公正な競争を確保するために様々な広告のルールが規定されています。その内容は主に以下のとおりです。

■広告表示の開始時期の制限

未完成の宅地や建物は、開発許可や建築確認を受けるまでは広告その他の表示をしてはならないことになっています。

■必要な表示事項

正しい広告とは、虚偽の内容が無いというだけではなく、消費者が不動産を選ぶ場合に必要と考えられる事項を表示する必要があります。そのため、不動産広告には物件の種類と媒体別に必ず表示すべき事項が定められているほか、文字の大きさは原則として7ポイント(約2.5mm四方の大きさ)以上としています。

■表示の基準

不動産広告に表示される一般的な事項について、事業者ごとに表示方法が異ならないように50の表示基準を定めています。

[1] 物件の内容・取引条件等に係る表示基準

ア 取引態様
イ 物件の所在地
ウ 交通の利便性
エ 各種施設までの距離または所要時間
オ 団地の規模
カ 面積
キ 物件の形質
ク 写真・絵図
ケ 設備・施設等
コ 生活関連施設
サ 価格・賃料
シ 住宅ローン等
ス その他の取引条件

エでは、徒歩時間は80メートルにつき1分として表示することとしています。

[2] 節税効果等の表示基準

[3] 入札及び競り売りの方法による場合の表示基準

■特定事項の明示義務

都市計画法、建築基準法その他の法令による利用制限や傾斜地、地形が著しく悪い不整形地など消費者が通常予期することができない物件の欠陥で、消費者にとって著しく不利益となる事項については広告に表示する義務を課しています。

■特定用語の使用基準

抽象的な用語・他の物件又は他の不動産会社と比較するような用語である、以下の様な用語については、表示内容を裏付ける合理的な根拠がある場合を除き、その使用を禁止しています。

[1] 完全、完ぺき、絶対などの用語
[2] 日本一、抜群、当社だけなどの用語
[3] 特選、厳選などの用語
[4] 最高、最高級など最上級を意味する用語
[5] 格安、堀出、土地値などの用語
[6] 完売など著しく人気が高く、売行きがよいことを意味する用語

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